- レシピ紹介 -
第十四回 もずくの茶碗蒸し
皆様明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
12月は忙しさにかまけてサボってしまいましたが今年も月1回を目指して頑張りますのでお楽しみにお待ち下さいませ。
本年第1回目は当店の開店以来・・・というより㈲居酒屋浩二創業時より約20年間様々な方々に御好評頂いております菊池浩二郎オリジナルの茶碗蒸し「もずくの茶碗蒸し」というのをご紹介しましょう。
もずくの茶碗蒸しなどと献立表に記しましても、なかなかに想像がつきにくいらしくあまりご注文が頂けないのですが、お任せや会席料理の時などには御予約時に伺った「お好み」に支障がない限り、なるべくお出しする様にしておりますが、食された方はたいてい喜ばれて、以来単品でも御注文を頂く事があります。この料理は日本料理の中で(東京の老舗料亭の創業者の方が発明されと聞いておりますが)もずく雑炊というのがありますが、これにヒントを得て私が20年程前に作り始めた料理です。
まずもずくの下ごしらえですが、生のもずくを魚屋さんで購入したら(酢に漬かってなない物です)よく洗ってごみ等を除き(塩気があったら塩抜きして下さい)熱湯をくぐらせてすぐに冷まし、よく水気を切ってからまな板の上で短めに包丁で切ります。(板の上に広げて2~3cm角位)
これで下ごしらえは完了です。
次に出汁を作ります。(第2回煮奴豆腐参照)これを冷まして蒸し地(茶碗蒸しの生地)を作ります。ボウルか大きめの丼鉢に玉子を割り入れてよく溶きます。(大体LL玉1個で2人前位が目安です)そこへ冷めた出汁を1合入れてまた混ぜ味醂15g、薄口醤油14gを入れよく混ぜて裏ごしします。(茶こしでも可)これを茶碗蒸しの器に入れて泡を消す為にライター等の火で生地の表面をなぞる様にします。泡が表面からなくなったら蓋をして蒸し器で蒸しますがその蒸し時間は蒸し器の形状や火力、湯の量によって差がありますが参考までに私の店でのやり方を述べますと、最初に蒸気が上がった(つまり完全沸騰状態)蒸し器に入れて、強火で2分位、この時に生地の表面が固まって膜が張った様な状態にし、その後極弱火にして中心まで火を通すのですがそれが5~6分です。この間蒸し器の蓋は外すことなく進行することが肝要で、なぜならば蓋を取るとせっかく溜まった蒸気が外へ逃げ出し、温度が下がる為に計算ができなくなります。もし蓋を取って再度やる時は強火で蒸気が上がる位の間余分にやって下さい。
この様な要領で何度かやってみて強火と弱火の火加減を習得して下さい。
弱火の火加減が強すぎると早く火が通りスが入って気泡ができ、舌触りが悪くなります。弱すぎるとなかなか火が通らず蓋を取ってみてみてはやり直し、見てはやり直しとなり、イライラします。一度火加減と時間を覚えたらメモにしておくといいと思います。その火加減と時間は貴方の家の台所の器具に合った加減ですので、料理の本や番組の参考時間等より上手くいく火加減なのです。
さて、先の時間は実は具の入った普通の茶碗蒸しのやり方でもずく蒸しの場合は少し手前でやめまして(30秒くらい)生地の上に下ごしらえしたもずくを乗せてもう少し(30~40秒)蒸します。そしてあんをかけてわさびを水で溶いたものを少し上に乗せて出来上がりです。
よく混ぜて召し上がれ。
因みにあんは出汁10に味醂1、薄口醤油1で合わせ沸騰したら火を細めて水溶きの片栗粉か葛粉を汁を混ぜながら注ぎ入れてダマを作らぬ様にとろみをつけます。
蒸し時間の間にやっておいて下さい。わさびを水溶きするのはよく混ざる様にする為です。
もずくは使う分だけ残して冷凍しておくと無駄になりませんし、また冷凍が気のりしないなら土佐酢に漬けて毎日少しづつ食べると健康管理に貢献する事でしょう。
また、沖縄料理にもずくの天ぷらというのがあります。よく水気を切ってから少し干し気味に乾燥させてから天ぷらにするのです。お試しあれ。
何にしてももずくは海藻ですからビタミンやミネラルが含まれて体に良いのですから色々な方法で食されるといいでしょう。
ちなみに土佐酢の作り方も御紹介しましょう。私の店では調合割合が決まってませんので某出版社の日本料理技術選から抜粋します。
○酢:大さじ3 ○醤油:小さじ1 ○出し:大さじ2 ○砂糖:小さじ2 ○塩:小さじ1/2
これを煮たてて鰹節を入れて(追い鰹)すぐに冷まし、先のもずくを漬ければ良いのです。後は味を好みで加減して下さい。土佐酢は最初は少し入れて一度地洗いしてザルに上げ再度入れて下さい。(一度に全部入れず味を見ながら)
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