- レシピ紹介 -
第七回 筍の下ごしらへ
私の大好きな食材。筍が旬真盛りですが、この筍について意外と上手く下処理されていない様なので、少し記させて頂きます。皆様の中にも春になると筍を掘りに行かれる方が少なくないのではないでしょうか。
すでに御承知の方には眠たいお話でしょうが、米のとぎ汁を御使用の方には良いアドバイスとなる事請け合いですので参考になさって下さい。
まず掘り立ての筍(御購入の際は国産の土付きをお奨めします)をたっぷりの汲み水(大きな鍋等に水を汲み入れて)に浸す様に放り込みお亀タワシで水中にてこすり、土をよく落とします。一旦洗い終えたら、もう一度今度は流水にてさっと残った汚れを洗い流しザルに上げます。
これをすぐさま写真の様に斜めに先端を切り落とし(この時包丁の切れ味が悪いとすべって手を切りやすいので要注意。なるべくよく研がった包丁を使用して下さい)、底の掘った時の切り口も白くなる位薄く削り落として下さい。そして斜めに切った部分に直角に切り込みを入れます。
これは茹で上がってアクが抜けた時、料理するのに皮を剥くのにやりやすい為の用意です。
全部の筍が用意出来ましたら、その筍を入れてもたっぷり余裕のある鍋に筍を入れて水をたっぷり入れて下さい。鍋の半分位まで筍が入り、水が鍋の7~8分目位まで入った状態がベストです。そこへ米ぬかを鍋の表面が全部見えなくなる位の量、全体が覆いかぶさっている様に入れて下さい。そしてタカの爪を5~6本そのまま入れて落し蓋をして強火にかけます。沸騰したらすぐに火を弱めて噴きこぼれない様に火加減して下さい。最低15分は湯煮して、柔らかく煮えたかどうかは金串か竹串を根本に刺してみてすっと抜けたらOKの印です。
堅い筍ですと40分位かかる様な時もありますが、それ以上は何程茹でても同じ事で筍の素性が良くなくて堅いので残念な事ですが、如何ともしようがない事と諦めざるを得ません。
さて、湯煮し終えた筍はそのまま火を止めて冷まします(ぬか水のままです)。ゆっくりと冷めた筍はそのまま丸一昼夜置いて下さい(冷所)。そして明くる日水を替えてきれいな水(出来れば浄水)で時々水を替えながらぬか臭がなくなるまで置きます。
あまりぬか臭を消す事に腐心致しますと、肝心の筍の持ち味をも消してしまいますので御注意下さい。この時点でアクは相当に抜けている事と予想されますが、それは各人各様でもっとアクを抜きたい方は今しばらく水にさらして頂いたら宜しいですし、又アクも味のうちと思われる方はもう少し手前で止められても宜しいかと思います。
後はお料理するだけですが、今回は若筍煮を御紹介致します。
常の出し汁にお酒を少しと薄口醤油、ほんの少しの味醂にて味を調えて、好みの大きさに切った筍をサーッと煮て大きめに切った若布を入れてもう一煮立ち。これだけの料理ですが、注意事項もございます。
今回御紹介したアク抜きの仕方で下ごしらえした筍は素性が良ければそのまま食べても美味しい事でしょう。そんな筍に調味料を濃く、深く染み込ませたのでは台無しです。筍と若布が煮えた時の煮汁がすーっと吸える様な汁たっぷりに盛ったならその汁も全部飲んでしまいたくなる様に煮ると上手くいくと思います。
その他お刺身にして酢みそで・・・。天ぷらに・・・。等々、色々でお楽しみ下さい。
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