- レシピ紹介 -
第九回 パリパリ生野菜の肉みそ添え
何だそんな物・・・とお叱りを頂戴するやもしれませんが、当店でも意外と御好評を頂き、またリピート率も高いものですから今回は少し気軽な感じでお付き合い下さい。
まずは肉味噌作りですが、肉は鶏の挽肉が良いと思います。そして味噌は赤味噌の「だし入り」ではない良質の物をお求めください。後は胡麻油、煎り胡麻、長葱、生姜、大蒜(にんにく)、唐辛子、砂糖、酒、味醂で材料は揃う訳です。
綺麗に洗って良く乾いた鍋に胡麻油を適量入れ、火をつける前に微塵に切った大蒜と生姜を入れ、それから火を点けます(中火弱)。
ここで強火は禁物!!・・・と申しますのも大蒜、生姜は微塵に切ってある為非常に焦げやすいので弱い火で油に薬味の香りを移す感じにして下さい。
香りが立ってきたら少し油を足して挽肉を約500g位投入して火を強め、箸を数本束ねて持ち、ほぐす様に(炒って)細かくパラパラに炒りつけます。
挽肉の色が変わって、そぼろ状になってきましたら、酒を少し(100g位)加えて再び火を細め、赤味噌を(約1kg位)入れて味醂を酒の数倍量加え、少しづつ味噌となじませる様に混ぜ合わせて、砂糖、微塵葱、煎り胡麻をすって適量入れ、唐辛子も少々加えて再び良く混ぜる様に練ります。
ここで味をみて砂糖、味醂等好みで加えて味を決めて下さい。火にかけて練っている時より、冷ました時には思いの外硬くなりますので少しゆるい位に味醂を入れるとつやも良く、扱いやすい味噌になると思います。
砂糖の量は何グラムとか計った事がなく、どれ位の量で・・・と御説明する事ができませんが、少な過ぎると色の艶と申しますか照り色と申しますか全体にパサついた様な色でいかにも不味そうな色に見えると思いますので、少し照りよく艶が出るまで投入してから味を見て足りないと思ったら少し足す様にすると上手くいくと思います。
どんな料理もそうですが(特に煮物料理等は)味見を何度もしますとその内何が何だかわからなくなり迷宮に迷い込む様な事になってしまいます。
そこで五感という物を最大限働かせて料理を致しますと味を見なくても大体想像がつく様になって参ります。
例えば今回の様に味噌を練る様な場合も
手から・・・木しゃもじを伝って固さや焦げ加減がわかり、
目から・・・色艶の様子で砂糖の多少を了解、分析
耳から・・・味噌中の空気が膨らんでふつっ・・ふつっ・・といいだしたら、少し熱くなってきたところだが、温度が上がるにつれてその音の間隔速度は早まって、木しゃもじで鍋底をこすった時ブシュシュブジュー等と音がしだしたら、それはもう焦げ出す寸前でもしその味噌が手の柔らかい部分にほんの少しでもついたならば「あつっ」と思わず声が出て水膨れができてしまうかもしれない位熱々であろうという事等の情報を得て
鼻から・・・立ち昇る香りに甘辛のバランスを感知し、又焦げそうになったらその臭いで危険を察知
そして口から・・・直接口当たりで味を見るが、その時にはほぼ予想通りの味になっている
その様な具合で事が運ぶ様になりますと料理という仕事も非常に楽しみになってくるのではないでしょうか。とは申しましてもかくいう私自身「事未だにそこに至らず、只今修行中」と言ったところでして、なかなかに楽しく料理をする様な時ばかりではございませんで、時に苦しみ、時には大失態を果たし、落胆する事しきり・・・等という様な事もまあ多々あります様な次第です。
余談はさておき本題に戻りましょう。
前述の様に肉味噌が完成しましたら完全に冷ましてから密閉容器に移して冷蔵庫にて保管して下さい。こうした味噌はいつまでももちますが、水分が入ってしまいますとカビが生えてきますので次の点にご用心あれ。
★密閉容器は必ず綺麗に洗って良く乾かしてから味噌を入れる様にして下さい。
★味噌が完全に冷めてませんと蒸気が上がり蓋に結露致しますので要注意・・・。但し長時間冷ます為に放置致しますと表面が乾きすぎますので時々木しゃもじで混ぜて下さい。こうすることで乾燥を防ぎ、また冷めるのも早くなります。
さて、仕上げですがお好みの野菜をお好みの型や大きさに切って器に見映えよく盛り、先の味噌を体裁よく盛り添えるだけです。
やはりパリパリとした歯触りの野菜が良く、大根、胡瓜、人参、セロリ、キャベツの芯、白菜の芯等が良いと思います。
また、この味噌を利用して例えば豆腐を静かに湯煮して熱々の上にこの味噌をかけるとか、またなすの田楽等に利用する等色々に利用されるのも面白いと思います。
これは・・・と思われる斬新な自信作が閃きましたら是非ご教授下さい。私が興奮・感動いたしましたら当日のおすすめ品を一つサービスさせて頂きます。是非色々とお試しを・・・。
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